βグルカンの化学的な構造について
βグルカンとは、単糖であるグルコースが多数つながったした多糖類です。
ただ、グルコースどうしがお互いにどのようにつながるかの様式にはいろいろあって、グルコースという素材は同じであっても、結合様式によって最終的な性質には大いに差が生じてきます。
グルコース分子は、模式的に言えば表裏のある六角形のボール紙のような形をしていると思って下さい。
六角形の頂点どうしで互いに結合し、鎖のように多糖類を構成することができます。
6つの頂点それぞれに番号を付けて、どの頂点どうしが結合しているかを示すことにします。
また、表どうしとか、裏どうしで連続して結合するか、それとも表と裏が交互に結合するかでも区別します。
もちろん、幾何学的に言えば、表の次に表が来るけれどもその次は裏というように、片方の面が連続するわけでもないが常に交互でもない結合方式はあり得ます。
しかし、自然界にはそのようなものは存在せず、先に書いた2通りしかありません。
さて、βグルカンとは、グルコースどうしが基本的にはβ1,3結合と呼ばれる様式によって結合したものを指します。
これに対して、私たちの栄養素としても重要なデンプンは、α1,4結合によります。
あくまでイメージ的な物の言い方になりますが、βグルカンは、六角形の1番目と3番目の頂点どうしが表裏交互に結合した多糖類であり、デンプンは六角形の1番目と4番目の頂点どうしが表ばかりすらりと並んだ多糖類だということもできます。